入国審査に引っかかっていた日本人
久し振りにブログを書こう、と思ったのは実は入国審査で驚くような人を見かけたからでした。
日本のパスポートはビザなしで旅行できるところが多くても、海外はあくまで日本ではないということを再認識したので記録として残しておこうと思います。
今回、私はJALの直行便で成田からヘルシンキに向かいました。
なので機内は比較的日本人の乗客が多く、CAさんもほぼ日本人なので日本にいるかのような快適さです。
ヘルシンキはトランジットでしか訪れたことがなかったので、初めての入国審査。
飛行機から降りた後、トイレに寄って、日本で買っておいたSIMが使えるかの確認をして、どうせ混んでいるだろうからとゆっくり向かうことにしたんですよ。
ALL PASSENGERの入国審査の列は時間差でもまだそれなりの長さ。
まあ、急ぐ旅でもないしゆっくり待っているか~と思っていたら、まさかの二つ前の男性が引っかかりました。
あ、この人ヤバいかもしれない、と思ったのはE-ticketを出してと言われたのに対して、日本語で説明を始めた時でしたね。
パニックを起こして、というよりも、日本語通じるだろう的な自信のようなものを感じて聞いているこっちの方が驚いてしまいました。
どうしようかと思っていたら、私の一つ前の方がその男性に助け舟を出してくれました。
もし私が彼の次だったら、私が助けることになっていただろうな。
それが嫌という訳ではないのですが、自分だったらどうしただろうと考えると頭を抱えたくなりそうなやりとりだったんです。
まずその男性、英語さえろくに喋れないくせに一人旅。
そして帰りのE-ticket不所持。
この時点で相手の心証は相当悪くなりますよね。
どういう手続きで航空券を買ったのか知りませんが、ヘルシンキの空港で帰りの分は受け取ることになっていたと言っていました。
ならばその購入した領収書を見せろと言われたら「日本に置いてきました」と。
せめてメールに残っていないのかと言われていましたが、それすらもなかったそう。
目的と滞在期間と場所を聞かれた答えが、観光で三カ月、ホテルはまだ取ってません。
え……英語さえまともに出来ないのにホテル取っていないの?
しかも現地で誰かに会って色々教えて貰う訳でもなく、全て自分でやるつもりだったらしい。
三カ月って言ったら「ビザなしで滞在できるのは90日以下です」って審査官に怒られてました。
帰りの飛行機、言えば変えて貰えますよね、とか呑気に日本語で相談していましたが、そもそも入れるかこの時点でどうか危ういレベルですよ。
ちなみにほぼ全てのやりとりは、私の前に並ばれていた方が通訳して答えています。
簡単な質問にも答えられないレベルだったので、メモに滞在目的やら何やら書いて渡していましたが、それがどんなものだったかは分かりません。
その人が話している姿から、たぶんそれほど中身のあるものではないのだろうなと推測しました。
次に聞かれた質問が、お金はどれだけ持っているのか。
ビザなしで入って不法就労するのではないかという可能性、真っ先に疑われますもんね。
その答えがまあ、少し安めのヨーロッパ一週間旅行のツアー代金くらいの金額でした。
最安値のツアー相当ではないですし、航空券代別ではあるのですごく少ない訳ではないですが、三カ月滞在するには十分ではないとしか思えない金額です。東南アジアで慎ましく生活するならまだしも、という感じ。
見せろと言われて財布から取り出したのはたぶん全額ではなくて、日本語で話してたので審査官は聞いていませんが、何と預入荷物の中に現金を分けて入れて置いたそうです。
はー、恐ろしい。
そして次に聞かれていたのがクレジットカード。
海外旅行ではビザとマスターが必須ですよね。(と言いつつ、気付いたらマスターカード解約しててビザだらけになっている私も人のこと言えませんが)
旅行前に作って来ました、と言って出したのがどうもキャッシュカードだったらしく。
クレジット機能がなかったようなんですよね。何を作ったんだ、と心の中でツッコミを入れたくなりましたが、ビザやマスターの表記はなかったらしく、審査官に突っ返されていました。
そして最後に聞かれたのが職業。
彼の答えは……無職!
そりゃあ三カ月も休みが取れる日本人なんていないので、転職のタイミングでしか長期では旅行出来ませんもんね。(私もです)
ただそれが審査官に通じるかどうかは別です。
特に不法就労疑われている時の無職回答はなかなかキツイ。
ここまで来て、困った審査官は誰か別の人を呼びました。
荷物のタグをよこせと言われて彼が渡すと、その荷物を引き取ってどうやら別室へご案内ということになってしまったようで、彼は姿を消しました。
その後すぐに入国審査が再開されて通り抜けてしまったので、彼のその後は知りませんがもしかすると強制送還されているかもしれません。
私、強制送還された方のブログを読んだことがあって、いくら目的がないような長期旅行でも「最大の滞在可能日数」を言ってはいけないと心に留めていました。
ブログを書かれた方は、それを言ってしまったがために強制送還になってしまったらしいんですよね。
しかも入国拒否による強制送還だと、確か行きと同じ航空会社が連れて帰らなければならないという決まりがあるらしく、航空会社からしても迷惑な乗客になってしまうらしく。(ここはブログで読んだ知識なので違ったらすみません)
下手したらもうその国には行けなくなったりするんじゃないかな、と想像します。
私は今回も一ヶ月に満たない期間ですが、入国審査官からは色々と聞かれました。
前にとんでもない人がいたので確認のためだったのかもしれませんが、他に行く国と滞在先ホテルはきっちり答えています。
しかし今思い返しても、あの方はたとえ無事に入国したとしても生活出来ないんじゃないかと思います。
言葉が通じないのにどうしていきなり一人で長期旅行に出ようなんて考えてしまったのか。
「私、英語はあんまり得意じゃなくて」って通訳してくれた人にはっきり言ってましたが、何で恥ずかしげもなく堂々と言っているんですか、と思わず心の中でツッコミをしたくなるくらい駄目な感じで。
予約はしてないけれどホテルは決めていると言ってましたが、そこまで辿り着けたかも謎。
慣れないうちはいきなり背伸びするのではなく、ツアーや慣れた人に連れて行って貰うのが正解だなとつくづく思いました。